Wineは全体としてはWindowsのエミュレーターで、WindowsOSをインストールする必要がないのが他の仮想環境とことなる点だ。しかし、結構重い。大いに利用しているという記事はほとんど見かけなかった。Linuxで、Windowsソフトを使う利点があまりないからでもあると思った。バージョン落ちのInternet Explorerが使えるくらいだが、IE全体のの地位が低下したので、それも大きなポイントでもないなと思った。
実行環境はDebian 7.2 Wheezyだが、Ubuntu 12.04LTSでもほぼ同じだった(全部は検証してはいない)。
Wineのサイト
http://www.winehq.org/

インストールは、端末のコマンドラインで行う。Snyapticだとどれをインストールすべきか諸説あり、シンプルに行くと決めたので、apt-getのデフォルトだけでインストールする。
$ sudo apt-get install wine
これでインストールされるバージョンはWine 1.4.1.4で、以下のファイルがインストールされる
wine wine.bin libwine-alsa libwine-gl libwine-bin libwine-gecko-1.4 libwine
の他、追加ファイルで
wine-doc ttf-mscorefonts-installer klamar clamar
が加わる。Synapticには少なくとQtデスクトップの他、入出力関係のモジュールが確認できる。
インストールされるフォルダーは /home/ユーザー/.wine である(GUIでは隠しファイルになる)。コマンドなら ls -a でフォルダーを確認できる。

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さて参考にしたネット記事には次のものが含まれる
1)最終的に従った記事 *ただしフォントの件は、現在の1.4.1では解消されている
Ubuntu 12.04へWineのインストールと使い方
http://symfoware.blog68.fc2.com/blog-entry-938.html
2) フルインストールの例 *詳しいが、使えるまでに至らない
Linux で Wine のインストールと種々の設定
http://www.kkaneko.com/rinkou/linux/wine.html
PPAファイルの取得について *上の記事で欠落している問題
https://launchpad.net/~ubuntu-wine/+archive/ppa
3) Ubuntuフォーラムの記事(公式だがバージョンが古い)
UbuntuTips/Application/Wine
https://wiki.ubuntulinux.jp/UbuntuTips/Application/Wine
4) なんとなく手がかりになった記事
Ubuntuをちょい古パソコンで使う情報集。普通のwindowsユーザーの方に。
http://www18.atpages.jp/~mansionlaw/index.php?Wine%E3%81%A7Windows%E7%94%A8%E3%82%A2%E3%83%97%E3%83%AA%E3%82%B1%E3%83%BC%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3%E3%82%92%E5%8B%95%E3%81%8B%E3%81%9D%E3%81%86
Debian WheezyのWineについては公式の短い解説があるだけである
Debian -- wheezy の wine パッケージに関する詳細
http://packages.debian.org/ja/wheezy/wine
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最初のインストールだけで、Wineに何も設定はしない。
すぐにその利用を特にスクリーンショット満載で紹介していく。
Windowsフリーソフトのしにせ窓の杜で、よく知られたシンプルなテキストエディターTeraPadをChromiumでDebianにダウンロードインストールする。Windowsの場合と何ら変わらない。

Debianのホームのダウンロード・ディレクトにTeraPadをダウンロード。

TeraPadインストールTerad109.exeファイルを右クリックし、「Wine Windows Program Loaderで開く」でTerad109.exeを実行する(この時点でWineがWindowsエミュレーターとして使えるようになっているということだ)。

インストールすると、/home/ユーザー/.wineディレクトリにTeraPadがインストールされる。

Windowsインストーラーに隠しディレクトリを認識させられないので、homeディレクトに、インストールディレクトリを作っておく。なんでもいいが、取り急ぎ wine-Program-files とした。

TeraPadのインストルフォルダーを指定するウィンドウ

「/」を開き、home→ユーザー→wine-Program-filesを選択する。

実行すると、TeraPadインストーラーが、見えないがWindowsエミュレーター上で実行される

TeraPadがたしかにDebianのファイルシステム上にインストールしているのがわかる。ユーザー名はモザイクをかけた。

インストールが終わるとTeraPad自身がReadmeファイルを表示するが、フォントが不適切なので、すぐ、メニューバーの「表示」>「フォント」で、「IPAゴシック」を選択すれば適切な表示に切り替わる。

TeraPadによって表示されたREADMEファイルを表示した、Debianのデスクトップ全体。

wine-Program-filesディレクトリ内のTeraPad.exe

GUIでアイコンを右クリックし、「Wine Windows Program Loaderで開く」を実行

TeraPadで、このエントリーの下書きを書いてみた。日本語入力で日本語入力/直接入力の切換に失敗することがある。入力も少し重い感じだ。
最後、デスクトップ全体で見たTeraPadのウィンドウ。

フォントの件がわかっていたので、エディターを使ってみた。エンコードがLinuxがUTF-8なのに対し、Windowsは一般にS-JISなので、Linuxデフォルトのエディターでは開けない(文字化けする)。LibreOffice-Writerなど高度なソフトならエンコードを指定して開くことができる。
なお、TeraPadの場合保存はできたが、保存したファイルを再度開くことができなかったなど、実用性は試してみたいとわからない。
さてその他シンプルなソフトなら使えるものがあるかもしれない。またバージョンは古いほうがいいかもしれない。ネットをいろいろ見ていたらWindowsのゲームをやりたいから使う人が多い感じがした。
TeraPadに書いた文
*** WineによるWindowsソフトの起動 ***
Wineは、Windowsエミュレーターだが、完成度が高くなく、
全面的に取り組むのは見合わせた。
今回はWineのWindowsソフトの単体でのランタイム実行環境として
使用する例の紹介である。
このWindowsソフトのエディターTeraPad自体、Debianデスクトップ上で
動いている。若干もたつくが・・・
実行ファイルは
/home/ユーザー/.wine/
に基本的にインストールされる。
Ubuntu12.04では /home/user/wine/のようだ。
GUIでは、右クリックー Wine WindowsProgram Loaderで起動する
コマンドラインでは/usr/bin/wineにシンボリックリンクがあるため、
wine-Program-filesに移動して
$ wine ./TeraPad.exe
で起動する。TeraPad.exeへの適切なパスならそれでもいい。
Linuxにも優れたエディターがあるのでそれを使えばいいが、TeraPadは
シンプルでフォントを確認できるために、例として使わせていただいた。