2013年02月14日

サパテオ:「キューバ音楽の理論」より

さて前回短く述べたとおり、キューバ音楽もハイブリッドだそうなので、キューバ音楽が好きでカントリー音楽は嫌いだという単純な立場は存在しない。そもそも単純なパターンが存在するという考え自体が、西欧クラシック的である。まあそれでビゼー大失敗だったわけだが。不注意な音楽関係者は、言葉があるとそれに対応する何か明瞭なスタイルが存在すると簡単に思うわけである。坂本龍一みたいに。
キューバ音楽は非常にちゃんぽんだし、結果として多様だが、歴史的にアメリカのリゾート地になったため、ジャズオーケストラの影響など様式化が進んだと思われるが、社会主義化して音楽教育で伝統音楽が継承されたためガラパゴス化したというわけである。サルサはまったく様式的にソンなのだが、NYのヒスパニック、特にプエルトリカンがその場合主役である。ピアノがクラーベの代わりをしばしばするので、全然違う音楽に聞こえる。
しかしサンバもそうだが、奴隷船で連れてこられた黒人の文化(キューバの場合は現在のナイジェリアのヨルバだと分かっている)がUSAのように徹底して弾圧されたのとは違って、そのまま伝承されたため、USAのようにややこしいことはないから、西欧音楽と混ざるときにややこしいことになり、大変細分化されたリズムしばしばポリリズムになったわけである。

前回のプント・クバーナがヨルバ系6/8の様式なのに対し、今回のサパテオは白人系で本来フラメンコの靴音でリズムを表現した6/8と3/4が混合する形式であるそうだ。「キューバ音楽」p67。

サパテオ例。楽譜同書「キューバの音楽の理論」p13
 *2小節目のトレスの2拍目が不協和になるので落とした。
1段目が歌、2段目がトレスという弦楽器、3段目がクラーベである。
Zapateo

次は歌をトランペットで、トレスはガットギターで、クラーベはクラーベでSonarにより作った音源である。
Zapateo


比較すれば分かるが、プント・クバーナのクラーベの2小節目の2拍目四分音符が八分音符二つに変っただけである。

お聞きの通り、素人には十分ラテンに聞こえる。というのもすでに偶数小節の二つ目の四分音符がシンコペーションしているからである。

次回は2拍子系のハバネラと、ダンソンのシンキージョとパケテオを紹介する予定。
posted by Mondayota at 11:15| カントリー