2018年09月19日

ブラックフォイル改造スリム・ゴールドフォイル・ストラトキャスター

これは興味深い実験だった。
ゴールドフォイルのイモネジ列は無意味なので、その部分をカットするとブラックフォイルと同じになるし、コイル・マグネットもほぼ同じ。マグネットがブラックフォイルの方が強い。コイルは同じだと思う。なのでブラックフォイルはゴールドフォイルの改良形であって

ゴールドフォイル<ブラックフォイル

だと評価すべきで、ゴールドフォイルがそれほど特別ではないと断定できた。高音が強く出力もブラックフォイルの方が大きいのだが、それはボリュームとトーンで調整可能なものだ。

まあ、ライ・クーダーとその取り巻きのおかげでゴールドフォイルは過大評価されて高額で、その高額なゴールドフォイルを僕も何個も蓄財しているけれど、それはブランドバックと似たようなもんだ。高校程度の物理学的知識と音楽的耳があるなら、そこまで過大評価すべきではない。それより60年代ビンテージピックアップに対するひどい過小評価が問題なのである。

1950年代まではこの世にはアルニコ磁石しかなく、50年ころに発明されたフェライトがエレキギター黎明期に採用されるほど普及していなかったので、フェンダーやギブソンは1950年代の技術しか使えず、それがスタンダードになったっため、エレキギターだけはアルニコがスタンダードになっただけで、ギブソンもフェンダーもフェライト磁石を使ったピックアップを真面目に開発しなかったというのが真相だ。50年代後半以降特に60年代に産業的にフェライト磁石が普及し、他のほとんどの分野で磁石はアルニコからフェライトにとってかわられた。

アルニコのいい点は、高価なことと、エレキギターのシンボル的価値があるポールピースの形状に適切だということだが、別にそれで「磁力」の性質が変わるわけがない。ポールピース構造は磁場が極力狭いので、弦の狭い範囲の振動しか拾わないため、音楽的にシンプルだといえるだろう。フェライトは軟弱なのでポールピースが作れず、スチールの疑似ポールピースをつかっても磁場が若干広くならざるをえないが、大差はない。素材の価格は2桁違うと思う。そこまで音に違いはない。

ゴールドフォイルタイプは、平たいマグネットをギターのトップに置いて分厚いコイルを巻いただけである。非常に単純で、それのどこが特別なのかわからないほどである。しかし50年代の技術でできているスタンダードなエレキギターにはその単純な技術は使用されなかったのである。

結果的に弦に近くにフェライトを置いただけなので弦は広く強い磁場で振動する。物理的には何も特別なことはないが、弦の振動がもつ複雑な倍音を全部拾っちゃう。なのでアルニコのようにできるだけ単一の振動をとらえるのがよいという「思想」を持たないで、その複雑な倍音を評価する立場はあり得る。

というのもアコースティックギターは、単純なポイントの振動を響かせるのではなくて、すべての倍音を響かせるからである。

複雑な倍音を出力して問題が起こるのは、ディストーションした場合である。ぐちゃぐちゃになる。

これがハードロック時代にゴールドフォイルが跡形もなく消滅した一つの理由だろう。

posted by Kose at 12:35| 日記