2016年08月30日

【産経】「天国の階段イントロ問題」

問題の部分は
Im|ImM7|Im7|VI7(9)|
というルート音が半音ずつ下降するコード進行で、これは通常クリシェとして知られる一般的なものである。
これ自体はパクリでもなんでもないし、少しコードの知識があれば、マイナーコードで、ルートが半音下降するとどんな風かな、というのだ誰でも思いつく。
ただし鍵盤楽器だとなんでもないが、ギターだとmM7は押さえやすいとはいえず、このクリシェ以外ではあまり弾かないんじゃないか?ジャズなら違うかもしれないが。
問題はできた一部が聞くと似ているということだ。

Led Zeppelin - Stairway To Heaven


Spirit - Taurus


重要なのはこのクリシェをさらに曲に展開するのに明らかにツェッペリンは成功している。つまり他のコード進行への展開が見事である。楽曲として、スコッツ=ケルティックな音楽的背景(ツェッペリンにはたびたび登場する)に引用しているのに対して、スピリッツの方はどちらかと言うとプログレ風なんであろう。この曲の壮大さは、途中で完全なハードロックにさらに展開し、最後は元のクリシェに戻る。もしハードロックになってそのままフェイドアウトしていたら、最初のイントロは解決していなかったことになるかもしれない。
ちなみ、記事で参照されているクラプトンさんの「Let It Grow」(461オーシャンブールバード)も同じクリシェである。自伝で後から同じコード進行を使ったこと知ったと弁明しているが、以前に書いたが、ジョージ・ハリスンの「ホワイル・マイ・ギター・ジェントリー・ウィープス」が完全に同じでないが、マイナーコードのルートが下降するアイディアではもっともはやくロックで成功したものだと思うのである。
まったくくだらない。

クラプトンさん


ジョージ・ハリスンさん *ギターソロはクラプトンさん


「天国への階段」イントロは平凡? ジミー・ペイジ勝訴、ジェフ・ベックのコメントは「ラッキー」
産経新聞WEST 2016.8.30 11:11
http://www.sankei.com/west/news/160830/wst1608300002-n1.html
 ロック史上、最も有名なフレーズの一つ『天国への階段』(1971年、レッド・ツェッペリン=英国)のイントロ。盗作疑惑が持ち上がり訴訟になったが、作曲した元メンバーのジミー・ペイジ氏は否定し、勝訴した。「昔からある珍しくもない旋律。盗むというほどのものでもない」というのが認められた主張のあらましだ。その平凡な旋律は、年間10億円規模の著作権収入を生むとされ、盗作を訴えた原告側はあきらめていない。

確かにそっくり

 元祖『天国への階段』として浮上したのは、60年代に活動した米国のロックバンド、スピリットの楽曲『トーラス』(67年)。同バンドのギターリスト、故ランディ・カリフォルニア氏(本名ランディ・ウルフ)が作曲した。
 訴訟は2014年にロサンゼルスの裁判所に提起され、大きな注目を集めた。米CNNは実際に2曲をギターで弾き比べて紹介。いずれも和音(コード)を分散して弾くアルペジオという手法で、本当によく似ている。法廷でも当然、2曲が流された。
 ロイター通信によると、原告側は、ツェッペリンとスピリットの両バンドは、『天国への階段』が発表される前に、一緒にツアーをしたことがあると指摘。ペイジ氏は『トーラス』を耳にしているはず、と主張した。
 今年7月に出廷したペイジ氏は『トーラス』から旋律を盗んだり、ヒントにしたりしたことはないと否定。同曲を収録したスピリットのレコードは持っているが、訴えを起こされるまで「ほとんど聴いた覚えがない」とした。

よくあること

 ペイジ氏はしかし「確かに2曲のコード進行はとても似ている。どこにでもあるものだから」とも述べ、64年のミュージカル映画『メリー・ポピンズ』の曲にも「似ている」とした。ペイジ氏側の弁護士が証人として呼んだ専門家は、これらのコード進行について「300年もの昔から多くの大衆音楽で使われている」と述べた。
 場外からも「そんなのよくあること」との声が。
 ハードロック界のカリスマ、オジー・オズボーン氏は米ローリング・ストーン誌のインタビューで、そっくりな曲はほかにもあるとして具体例を挙げた上で「訴えたりはしないものだ」と原告側を批判した。
 ペイジ氏、エリック・クラプトン氏と並び、三大ギターリストの1人と称されるジェフ・ベック氏は、米ビルボード誌のインタビューでチクリとやった。問題のコード進行は「これまでもたくさん使われてきた」としながら「あれほど象徴的に使われたことはなかった」。『天国への階段』はお手軽に作った曲とでも言いたげで、ペイジ氏の勝訴を「ラッキー」と表現した。

2匹目のドジョウはいなかった

 原告が求めたのは『天国への階段』の作曲者クレジットにカリフォルニア氏の名前を入れること、そして当然、お金だった。
 業界誌の推計によると、同曲のロイヤルティー収入は08年時点で累計5億6千万ドルに上る。昨年1年間で、ツェッペリンの元メンバーと遺族らは9百万ドル(約9億円)以上の収入を得たとみられている。
 実は『天国への階段』訴訟を扱った裁判所は昨年、別のヒット曲で盗作があったことを認定し、巨額の賠償を命じた評決を出している。
 原告はソウルシンガー、マーヴィン・ゲイ氏(故人)の遺族ら。13年最大のヒット曲とされるロビン・シック氏の『ブラード・ラインズ』は、ゲイ氏の『ゲット・トゥ・ギブ・イット・アップ』(1977年)の盗作だと訴えた。
 米メディアなどによると、シンク氏とプロデューサーのファレル・ウィリアムズ氏側は「子供の頃からゲイ氏のファンだった。しかし曲が似ているのはジャンルだけ」などと訴えたが、かなわず、原告側は740万ドルを勝ち取った。
 『天国への階段』訴訟で、原告側は2匹目のドジョウと期待していたかも知れない。甘くはなかったが、抗告し巻き返しを図る姿勢だ。一方、ペイジ氏らは訴訟費用の負担を求めて訴えを起こした。戦いは続く。
posted by Kose at 12:58| Music Story