2017年01月17日

科学者ならノーベル賞を取りたいか

もし、STAP細胞に直接関係した科学者であったら、今まで報告されていない現象にはたいへん慎重になると思う。
若い小保方さんだったから、バカンティ博士の生体内幹細胞の仮説を方法を受け入れたと思う。生体内幹細胞(前駆幹細胞ではない)仮説は、一般的に知られていたものであったが、それについて実験した成果は発表されていなかった。Muse細胞がその初期の具体的事例であろう。詳しくはわからない。Muse細胞は特許関連だと思うが告訴にまで発展したらしい。

2000年以前「怪しい幹細胞治療」が流行し、悲惨な犠牲を出した事例は広く知られていた。そのため、幹細胞研究は、極めて厳しくES細胞様であることを幹細胞研究に課した。これが小保方=バカンティ研究がリジェクトされた根本的理由だ。

iPS細胞はその狭いボトルネックを通り抜けた画期的「発明」であり、極めて短期間にノーベル賞を授けられた。おそらくこのノーベル賞は「早すぎた」と思われる。2012年ころまだ山中因子から癌関連因子(増殖能に関連する)を取り除けるという楽観論が支配していたのだった。現在は、培養してみて癌化しない細胞を選び出すという2012年ころとは完全に志の落ちた手法に変わっていると思う。山中伸弥博士がいろんなインタビューでこの10年がもっと厳しいと言う趣旨の発言しているが、「夢の」再生医療への道は高橋政代博士が加齢黄斑変性の治験が停止したままであることをみると、STAP細胞事件当時より、iPS細胞再生医療はより保守的になっていると言っていいだろう。

さて、われわれが勘違いしていたのは、多能性と増殖能は「別でありえる」ことを知らなかったことだ。山中因子でも、それは別のものである。

増殖能しかないというのは単なる腫瘍である。腫瘍はありふれていて「発明」するには及ばない。

STAP細胞は、当初「スフェア細胞」と呼ばれた増殖能の乏しい多能性細胞とぞれに増殖能を与えた「STAP幹細胞」のふたつの段階があると信じられ、実際に論文に記載があるらしいし、その試料も残存していたとされる。

だがこういうことはありえると思われる。

高度なスキルを必要とするスフェア細胞は存在し、それをもとにキメラマウスを生体内で樹立する高い技術も存在する。そしてキメラマウスができたことから、スフェア細胞が生体内で増殖能を獲得したのだから、生体内にはSTAP幹細胞があったことが証明された。

だが、そのSTAP幹細胞は仮定された存在である。これがES細胞様を至上命題とする科学誌の落とし穴だったかもしれない。

STAP幹細胞は、スフェア細胞を培地で培養して樹立できたことが証明できていないかもしれないのである。

若山研で、ES細胞培地のほか、TS細胞培地、その他培地、そしてヒト細胞による実験と、複数の培地や細胞が試みられている。TS細胞培地が胎盤を形成するFI細胞となって、STAP幹細胞とは別の細胞とされた。それは日本の幹細胞研究のトップクラスである故笹井博士や丹羽博士が、ES細胞説を否定する大きな論拠になった。

和モガ氏のTS細胞共培養説はたぶん本物だと思う。だがES細胞共培養は、少し疑問が残るのだ。

問題は小さなものかもしれない。通常の培養では増殖能を与えられないスフェア細胞は、共培養という技術が必要だが、その技術は「ノーベル賞」にふさわしいかと言うことである。若山氏は、ノーベル賞が取れるような理想的実験を論文化するよう「指示していなかったか?」。

これが和モガ氏の徹底した検討において残る問題であると思う。

ES細胞説は終わった。それは新たな幹細胞の否定にコミットする世界の幹細胞学者を納得させるのに十分な説であった。思いもよらないものだった。

iMuSCs細胞をはじめとして、STAP細胞様の刺激惹起的多能性細胞の存在を示唆する研究は片手を余るようになった。なるほど小保方プロトコルの再現は行われていないが、この世に存在しなかったものを発見する(発明ではない)研究として、それほど小保方さんの研究は飛躍的だったということである。小保方さんの生化学的発想と技術は、分子生物学全盛期には思いもよらないものだった。受け入れる土台がなかった。そういう場合は徹底的に闘う覚悟がないといけなかった。

最近の研究は、主に医師の研究による体細胞の損傷で見られた実在する現象とそもそも多能性と酸性が親和的な癌細胞の酸処理の現象についてであり、小保方さんのような天才的跳躍ではなく、研究者が経験のある領域での研究へのアイディアと手法の応用という側面をもっている。

仮に結果的に小保方さんが健康を取り戻せず再起が難しいとしても、その天賦のアイディアとプロトコルは、より経験のある、しばしば幹細胞プロパーではない研究者たちが経験した実在する現象に光を与えるものに素手になっているのは明らかだと思う。

科学の歴史を振り返れば、小保方さんの悲劇は、とくに珍しいものではない。DNAのX線写真を撮影した研究者は、クリック&ワトソンのノーベル賞受賞前に他界していた。そのX線写真がなければ、少なくともワトソン&クリックの論文は少なくとももっと遅れていただろう。

科学史における悲劇は、冷酷なものである。

だが、政府とマスコミを巻き込んでヒステリックに「不正だ、不正だ」と叫んで、ほとんど生まれたばかりの未熟な研究の日本での芽を完全に摘んだ責任は誰がとるのだろうか。

愚劣である。

今日、テレビで「相棒」を見ていたら成宮寛貴さんが出演していたシリーズが放送されていた。ベッキーさんも地上波に戻ってきたらしいし。

ぼくはセカンドチャンスを信じてる。

The Eagles - No More Cloudy Days
Late Glenn Frey is singing. He was born on November 6, 1948 and passed away on January 18, 2016, that is, Tomorrow is his first anniversary.

The Eagles - No More Cloudy Days (Live 2005) 投稿者 olatoniggg

posted by Kose at 18:23| STAP

【和モガ】「STAP細胞事件」-桂調査委員会の結論が誤りであることを証明する




短い論証である
犯行の三要素というのがある。@動機、A手段、B機会の三つである。この三要素は必須で、その条件がひとつでも欠けると人は犯罪を行わない。

表にする
「STAP細胞をES細胞で捏造した」という犯罪があったと仮定する。
 * @動機、A手段、B機会
小保方@あり、Aなし、Bあり
若山 @なし、Aあり、Bなし
その他@なし、Aあり、Bなし
ゆえに@ABを満たすものはいない。
ゆえに仮定は棄却される


「ES細胞によるねつ造」という犯罪はなく、桂報告書はウソである。(*)犯人を特定しなかったのは犯罪を構成する事実がなかったからである。誰が真犯人であれ、桂報告書にもとづく告訴は敗訴することも証明された。次のような弁護士費用がそれを物語っている。誰が承認し決済したのか?(金額によって決裁権限が異なるだろう。)
 上田眞実氏によれば:
理研はこの(桂不正調査委員会」の)不正調査に総額8360万円をかけており、そのうち弁護士への相談費用が2820万円で、検証実験の1740万円より上回っている。
http://biz-journal.jp/2016/04/post_14897.html


それから導かれる
「STAP細胞事件」は(桂)調査委員会がいうような事件ではない、裏に全く別の犯罪が隠れていて、我々は真犯人によってそう信じ込まされているに過ぎない。

どう考えるかはあなた次第だと言うことではなく、事実は何かを少なくとも具体的に提示することである。

和モガ氏の、単に疑惑や批判の投げかけにとどまらない、粘り強い検証に最大限の敬意と賛辞を表したい。

今後、桂調査委員会(虚偽)報告書と呼ぼうと思う。
posted by Kose at 12:16| STAP

ハイデルベルク大学、Jurkat Tリンパ球酸処理、継続研究アブストラクト訳

ハイデルベルク大は昨年三月がん細胞の一種Jurkat細胞と酸環境の既知の関係から酸処理による多能性因子発現の実験を行い、発表した。

ハイデルベルク大修正STAP実験:STAP現象の確認に成功、独有力大学が…
http://lunedi.sblo.jp/article/175288968.html

その継続研究であることを明言しており、大きな歩みではないと思うが、酸環境とアポトーシスの関連の詳細な実験が行われた。環境や酸性度は異なるが、アポトーシスを詳しく調べたと読める。多能性との関連は不明だ。アルカリフォスターゼがわからないが、mRNAとタンパク質という細胞内の要素が、酸刺激とアポトーシスで、研究されたみたいだ。アポトーシスについては小保方氏がそのアイディアをもって実験に取り組んだことが手記に書かれている。STAP実験での細胞内プロセスに関連するとも考えることができる研究が進んだことはたいへん興味深く思う。

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*翻訳は相変わらず、Google翻訳に若干手を加えただけである。原文をご覧いただきたい。

Experimental Cell Research
Volume 350, Issue 1, 1 January 2017, Pages 140–146
http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0014482716303883
Jurkat Tリンパ球の酸性ストレス誘発G1細胞周期停止と内因性アポトーシス経路
Kim JY1, Cheng X2, Wölfl S3.
Author information
1Institute of Pharmacy and Molecular Biotechnology, Pharmaceutical Biology, Heidelberg University, Im Neuenheimer Feld 364, D-69120 Heidelberg, Germany.
2Institute of Pharmacy and Molecular Biotechnology, Pharmaceutical Biology, Heidelberg University, Im Neuenheimer Feld 364, D-69120 Heidelberg, Germany.
3Institute of Pharmacy and Molecular Biotechnology, Pharmaceutical Biology, Heidelberg University, Im Neuenheimer Feld 364, D-69120 Heidelberg, Germany.
ハイデルベルク大学、Im Neuenheimer Feld 364、D-69120、ハイデルベルク、薬学および分子生物学、薬学生物学研究所
2016年6月23日アクセプト、2016年10月31日改訂、2016年11月19日アクセプト、2016年11月21日オンライン利用可能

アブストラクト

背景

低い細胞外pH(pHe)は、この微小環境におけるpH感受性Tリンパ球にも影響を及ぼす腫瘍微小環境の共通の特徴である。 T細胞媒介性癌治療への関心が高まっているため、このリンパ球に対する酸性ストレス誘発性の結果は、調査によって価値がある。

結果

以前の研究(Kim et.al.、Biochem. Biophys. Res. Commun. 2016; 472(4):585-91)で、Jurkat Tリンパ球に亜致死的酸性ストレス(pH3.3,37℃で25分間)を適用した。早期アポトーシスから後期アポトーシスへの進行は、3日以内にフローサイトメトリーによって明らかに観察された。治療は最初の24時間でG1停止の発症をもたらし、細胞周期データは浸潤性アルカリホスファターゼ(AP)陽性集団の生存に対応した。 72時間後に観察された大量の細胞死に関しては、mRNAレベル(qRT-PCR)およびタンパク質レベル(ウェスタンブロッティング)の両方のデータは、p53-p21独立シグナル伝達によるプログラム細胞死を示す。

結論

まとめると、得られた結果は、本明細書中で使用されるように、短いが強烈な酸性ストレス条件に曝されたJurkat細胞の大部分が内因性アポトーシスを受け、浸潤およびAP活性化は小さな生存細胞集団においてのみ起こることを示唆する。

キーワード
ジャーカットTリンパ球;酸性ストレス;アポトーシス;カスパーゼ-9; G1フェーズ;アルカリホスファターゼ(AP)
posted by Kose at 05:49| STAP