2016年12月31日

【読売】飼育のサルもイモ洗い、「食の文化」ある可能性

ジョン・サールの『社会的現実の構成』(私訳)で幸島のサルの食文化が、文化が人固有のものでない例として取り上げられている。幸島のサル(Imo)は野生で、海水で洗う行動が世代を越えて集団に共有されたものとされている。わざわざ古い本をウェルナー・クマ―の『霊長類の社会:猿の集団生活と生態的適応』、社会思想社(教養文庫)、1978という本をアマゾンで古書で買って確かめた。次は短いその引用部分である。

集合的志向性から、制度的事実へ:お金の例
 社会的事実のもっとも単純な形式は集合的行動の単純な形式を伴う。前に言った通り、私は集合的行動の能力は生物学的に先天的であり、集合的志向性の形式は排除できる、あるいは何か他のものに還元できるものではないと考える。たとえば、自然公園で一緒に移動したり、一緒に狩りをしたりする動物にとって文化的装置も、文化的慣習も、言語もない。ハイエナが孤立したライオンを殺すため群れで移動する時、たとえハイエナの行動が非常に熟練して協調しており、ハイエナがライオンにだけ責任があるのではなく互いに責任があるとしてもどんな言語的、文化的装置は必要はない。協働的行動の淘汰的有利は明らかであると、私は確信している。排他的でない適応性は共通の種と協働することによって、増大する。
 集合的な動物の行動を志向性の一般理論に同化することの唯一の扱いにくい特徴は、ライオンを攻撃するハイエナの例のようなどんな複雑な行動の形式においても、それぞれの動物の集合的行動への個別の貢献が集合的志向性とは異なる志向内容をもつという事実に由来する。人間の場合、たとえば私たちがパスプレイを実行しており、私の役割がディフェンシブ・エンドをブロックすることなら、その場合私の個人的志向性は「私はディフェンシブ・エンドをブロックしている」である。だが、たとえ私がパスプレイの実行の役割としてのみディフェンシブ・エンドをブロックしているとしても、それは集合的志向性「私たちはパスプレイを実行している」とは異なる内容を持つ。個人的志向性の内容は、その場合、たとえ個人の志向性が集合的志向性の部分であっても、集合的志向性の内容とは異なるかもしれない。タンゴは一人では踊れず、パスプレイは二人では実行できない。2 社会的、制度的現実の階層的分類学を発展させるひとつの段階として、私は既に集合的志向性を含むいかなる事実も社会的事実であると明記した。そのため、たとえば、ハイエナがライオンを狩ることも、議会が法律を採択することも、ともに社会的事実の例である。制度的事実は社会的事実の特殊な下位クラスであることになる。議会が法律を採択することは制度的事実であるが、ハイエナがライオンを狩ることはそうではない。
 次の段階は集合的種類の行為者的機能の導入である。集合的志向性と物理的モノへの行為者的機能の意図的な割り当てを含む装置があるなら、ふたつを結びつけることは大きな段階ではない。どのようにひとりの人があるものをイスやテコとして使うと決めることができるかを理解するのが簡単なら、その場合、たったひとりでやるより、私はどのようにふたり以上の人が一緒に全員が座ることができるベンチとしてあるものを使ったり、何人かで操作するためあるものをテコとして使うと決定することができるかを理解するのは難しくないと思う。集合的志向性は個人的志向性と同じようにたやすく行為者的機能を生成できる。
 次の段階は、もっと難しい。なぜならそれは、モノへの機能の割り当てが、ベンチとして使われられる丸木やテコとして使われる棒の場合のようにモノの本来的特徴によるだけでは遂行できないモノへ機能を集合的に課すことを必要とすることだからである。この次のケースのタイプでは、機能はそれ自体人間の協働の問題としてのみ遂行される。この段階、集合的合意や受け入れによって機能が遂行できる集合的に機能を課すことは、制度的事実の創出の重大な要素であることを少し詳しく見てみよう。
 たとえば、そのテリトリーの回りに最初に壁を築く原始的な部族を考えてほしい。壁は全く物理学によって課された機能の事例である。壁は侵入者を締め出し、部族のメンバーだけを入れるのに十分大きいと考えよう。しかし壁は次第に物理的障害であることから、象徴的障害に発展すると考えてほしい。壁が次第に崩れ、残った物が、石のひとつの列だけになると想像してほしい。だが住民と隣人は彼らの行動に影響をおよぼすような仕方で、テリトリーの境界をなすものとしてその石の列を「認識」し続けると想像してほしい。たとえば住民は特別な条件下でのみその境界を横切り、外部の者は住民が同意した場合にだけテリトリーに入ることができる。今や石の列は、全くの物理学によるのではなく、集合的志向性によって遂行される機能を持つ。高い壁や堀とは異なり、壁の残骸は単にその物理的性質のために人々を締め出すことはできない。非常に原始的な意味で、その結果は象徴的である。なぜなら物理的モノの集合がいまやそれ自体をこえた何かを指示する機能、すなわちテリトリーの制限、を志向する。石の列は、物理的障害と同じ「機能」を遂行するが、それは物理的性質によってではなく、それは集合的に新たな「地位」(status)、境界のマーカー(marker)の地位を与えられたためそうする。*
 私はこの段階をもっとも自然で無垢な発展と見たいが、それは重大な含意をもつ。動物は、自然現象に機能を課すことができる。たとえば手が届かないバナナを取る道具として棒を使う霊長類を考えてほしい。3 そして一部の霊長類は、ある世代から次の世代へ伝えられる行為者的機能の伝統を発展させさえすることがある。そのためもっとも有名なニホンザルの「イモ」は芋から砂を落とすのに水を使い、やがて塩水は砂を落とし、かつ芋を美味しくするという両方をするのに用いられる。「イモ」に感謝を捧げつつ、「今では、海水でのイモ洗いは子ザルがイモを食うことといっしょに、その母親から習う、ひとつの伝統となって定着している」とクマーは書く。4 人類学の教科書はお決まりのごとく、人間の道具を使う能力に所見を述べる。だが、他の生活形式との真にラディカルな分岐点は、人間が集合的志向性を通じて、機能が、単に物理学や化学によるだけ達成することができず、ある「機能」が割り当てられる新たな「地位」の特殊な認識、受け入れ、承認の形式で継続的協働を必要とする現象に機能を課す時生じる。これは人間の文化のすべての制度的形式の始点であり、それはつねに後に見る通り、XをCにおいてYとみなすという構造を持たなければならない。

すこし、サールの翻訳再開しようかなと思った。

飼育のサルもイモ洗い、「食の文化」ある可能性
読売新聞 2016年12月31日 12時09分
http://www.yomiuri.co.jp/science/20161231-OYT1T50019.html?from=ytop_photo
 愛知県犬山市の日本モンキーセンターのヤクニホンザルが野生のニホンザルと同様のイモ洗い行動をすることがわかり、同センター飼育技術員の山田将也さん(29)が調査研究をまとめた。
 センターの冬の風物詩のサルのたき火での焼きイモがきっかけで、山田さんは「サルにも食の文化がある可能性があり、今後も調べていきたい」と話している。
 同センターで飼育しているヤクニホンザルは、伊勢湾台風のあった1959年に、飼育員が廃材を燃やして暖をとるのを見てから、火を怖がらずにたき火にあたるようになった。その際、ふるまわれた焼きイモを一部のサルが飼育施設内の池の水で冷やして食べるようになった。これをきっかけに普段から生のイモも池の水につけて食べることが観察されている。
 宮崎県の幸島こうじまにいる野生のニホンザルは人が与えたサツマイモを海水で洗い、塩味をつけて食べることで知られている。河合雅雄・元京大霊長類研究所長が「人間以外の動物の文化的行動」として1965年に英文学術誌「プリマーテス」に研究論文を発表してから、世界的に有名になった。
 ヤクニホンザルは屋久島に生息するニホンザルの仲間。これに気づいた山田さんは「幸島と同じ、サルの文化的行動ではないか」と考え、昨年9月から今年3月まで計55回にわたって観察記録をとり、その調査結果をまとめ、鹿児島大学で開かれた日本霊長類学会で発表した。
 それによると、イモ洗いをするのは全体(150頭)の3分の1にあたる50頭。このうちオスが33頭、メスが17頭だった。また、50頭のうち、母親もイモ洗い行動をしたのは10頭、母親がしない個体は20頭、残りは母親が死んでいるため不明だった。さらに幼い個体はイモ洗いをしないこともわかった。
 山田さんは「もともとは熱くて食べにくいので冷やすという合理的な理由があったのが、熱くなくても水につけるという食文化的な習慣が広まったとみられる。母親以外のサルの影響が大きいことも興味深い。また、4歳以上にならないと行動を習得できないこともわかった」と話す。
 今後、イモ洗いの行動がどのようにグループ内に伝わるのか、その経路や要因を解明する研究を続けるという。(大隅清司)

posted by Kose at 14:31| 日記

若山照彦考

ロックフェラー大学からの引き抜きについては書いた。
CDB創設時2001年、同大ペリー氏と同時に就任した。
この点、理研の「不透明な」採用と呼ばれるものが最初からあったことに伺われる。
いったい若山氏が引き抜かれたのか、コンビが引き抜かれたのか、ペリー氏の引き抜きに若山氏が使われたのか、今となってはよくわからない。
ペリー氏は2010年満期で理研を離れている。
なぜ、若山氏が2010〜2012年度理研に残ったのかは誰も問題にしないが、少なくとも理研の調査報告では、2012年度はすでに理研の席を失っており、客員研究員であったことが伺われる。
2011年度がどういう位置づけなのかよくわからない。
さて2012年は何の年か記憶しているだろうか?
山中伸弥博士のノーベル賞受賞年である。
ジョン・ガードン博士と山中博士が同時受賞したのだが、ガードン博士のカエルのクローンから山中博士のiPS細胞の間には、有名な羊のドリーにくわえ、ドリーの再現実験にあたる若山氏のクローンマウスの成功などクローン研究の成功が山のように、ガードン〜山中の間にあるというのが歴史である。
これが意味するのは、若山氏だけではないが、ガードン=山中の受賞は裏返すと、哺乳類クローン研究はノーベル賞から除外されたと言うことである。
だから、小保方手記で、山中ノーベル賞受賞で若山氏の様子がますますおかしくなったという証言をしているのはこの背景で了解できる。
世界的研究成果を残しながら、正式の所属が決まらない浪人生活中で、ノーベル賞から見放されるという結構きつい状態に当時彼がおかれていたと推測するのは無理とは言えない。

小保方氏が若山研に単にハーバード論文あるいは小保方博論の一部としてキメラマウスの依頼をしたのは2010年7月20日であると記されている。博論中のキメラは完全なものではないと読み取れるが、塊でキメラマウスに成功するのは2011年11月以降である。

動機理解としては、微妙である。任期切れまで数ヶ月である。これ以降小保方氏は、若山氏がいなければ、キメラマウスないし「幹細胞」の樹立は不可能になったと証言している。

ぼくは、まあ神業みたいなもので独立にキメラマウスができていてもおかしくはないと思う。だいたい生物学の再現(小保方氏も含む)は、何年もかかっても不思議はないので、小保方=若山間でもそれは同じだ。

山中iPSがすぐ再現されたように言われているが、論文が2006年8月、イエニッシュ博士の再現が2007年4月である。

STAP細胞事件は1月末に始まったが、2〜3月にマスコミが再現できないと騒いだのは無知のなせる技だった。まあ大隅典子やポール・ノフラーらの学者政治に踊らされた面があるのだろう。

そういうわけで、キメラマウスが若山氏なしではできないのは理解できる。
だがSTAP幹細胞は、STAP細胞特異の培地を樹立して「からならず」STAP細胞に「無限の」増殖能を与えるものでなければならない。だから、キメラはできても幹細胞はできないというSTAP糾弾派が想定していないケースが存在し得るのである。この場合において、幹細胞は十分条件だが、キメラマウスは必要条件である。さらに言えば幹細胞の重要な必要条件はSTAP細胞特異な「培地」である。この培地を小保方氏は渡され、実験したが成功せず、増殖率グラフのねつ造につながったものと見なせる。ここで「必要条件」がひとつ「ない」のである。
詳しいことはわからないが、小保方博論=ハーバード大論文には十分な実験が行われたと見なせるが、2012年の浪人時代、若山氏はそれ以上のことをやったのは確かである。

若山氏が不正を行う動機の背景はこれでわかった。不正はしてないかもしれない。不正をしていないならすでに山梨大に席を得た若山氏は、科学者の良心に基づいて、せめて1年程度は再現が行われないことをもって、とことん小保方氏をかばうべきであった。

ぼくは若山氏の夫人が事件の真犯人の一人だと考えているが、それと若山氏の良心と不正の問題は別である。若山氏の良心と不正を疑う必要がないのは、若山氏が英語が事実上できず、論文に何が書いてあるか本当にわからないのでパニックになった場合だけである。こちらのケースもある。若山氏が幹細胞培地を明らかにし、英語ができないことを白状すれば、彼は白であると見なせるとおもうのであった。
posted by Kose at 08:09| STAP

2016年12月30日

大どんでん返し説

STAP HOPE PAGEを参照したのが、セントルイス・ワシントン大学なのはほぼ確実だし、それが時期的にSTAP特許審査入りのきっかけになったのもたぶん確実だ。年明け、STAP特許の最初の可否が出る(普通何度か出る)らしいので、その審査の資料として、セントルイスワシントン大かハーバード大かわからないが、STAP特許のエージェントが、理研に「強く」予備実験のデータを要求したというのが、一番強い政治的なシナリオと考えられる。
オースティン・スミス氏やイレ―ヌ・デ・ラザロ氏の方が、時期的に妥当だと考えたが、特許審査を考慮すると特許がらみで要求したというシナリオの方が可能性がありえる。
すると面白いのは、理研はむざむざ失った特許の証拠を無料で開示したのか?という疑問である。
とうぜん、その場合は、なんか取引がある可能性が出てきてしまう。
何%でも特許の権利を譲り受ける可能性の担保とかあるかもしれない。
すると、理研は小保方氏の研究を認めたことになり、不正認定が将来覆る可能性もなきにしもあらずと推測できる。
どう考えても、STAP現象は程度問題は別として存在し、幹細胞はほとんど裏付けがないというのが国際的な見方から見た評価であると考えられる。ネイチャー論文の引用もアーティクルに限定されているしね。
酸処理だけなら、特許は取れるんだろう。

そういうわけで、場合によっては一気に大どんでん返しがあるかもしれない。

ああ、大人って汚い!
posted by Kose at 12:27| STAP

2016年12月29日

相澤検証実験予備実験の開示とティーブレーク氏の論理小児病

理研相澤検証実験の前半、小保方氏の予備実験のデータ、画像とPCRデターが最近開示請求で公開されたニュースが知られるようになった。現状では、公開方法が検討されているようである。STAP HOPE PAGEのデータはそのごく一部で、春以来ネットで争われてきた存在である。

正確ではないが、STAP批判者が、三木弁護士に説明を求めたところ、理研は公的に文書となった部分しか公開できないという回答をしたと思われる。ここでHPのデータの真正性がさらに問題となった。

ティーブレーク氏は法人文書だから「すべて」が開示される「べきだ」と主張した。ティーブレーク氏の「べき」症候群については、東大不正事件の折非難した。

たとえ話をする。東京都の文書請求をする。小政党の請求ではほとんど黒塗りである。だが知事が交代しその命令で公開させると、理由としては私企業の了解が求められないからと言うとってつけた理由であったが、了解が取られたとして喘鳴開始される結果となったと思う。

だから情報公開の既定があっても「誰が」請求するかで、結果は異なる。それはまさに利害と力関係、もっと言えば政治力が、なにが存在するかを決定するのである。空疎な法的理念が決めるのではない。

予備実験の存在は7〜8月まで、公式データ以外公開しない(確認できないとかいろいろ理由がついたが、それは私企業の了解が得られないとか言う恣意的理由と同じである)。

だが最近の請求でほぼ全部の公開に理研は応じた。東京都の場合と比較すれば、9月から12月の間に政治力が働いて、すでに公開すると変更されたものをネット民がたまたま請求して事後的に予備実験でのデータが開示されることになったという中間項を想定するのが大人の議論である。

それは何か。8月の時点でF1000Researchサイトで、予備実験のデータの存在が公的に明らかになった。
だから、海外の研究者が日本のエージェントを通じて公開を請求した可能性が想定できるのである。
オースティン・スミス氏かもしれないし、よりOCT4マーカーのさらなる研究に突っ込んだイレ―ヌ嬢かもしれない。おそらくスミス教授であろう。スミス教授は、現在の全世界の幹細胞学の主たる権威である。

誰とも知らない市井の市民の公開請求と現在の全世界の幹細胞学の権威の請求では、東京における小政党と小池知事の指示と同じくらい違う。

まず理研予備実験のデータはだからオースティン・スミス博士とは限らないが、海外の学者の手中にすでにあると仮定すべきだ。これは小保方氏の学者生命に大きな影響を与えるだろう。

他方、ネットでのデータ公開は、批判者も多いので、可能な限り学術データの価値を毀損しない方法でない限り安易に公開すべきではないいえるかもしれない。炎上のネタになるだけかもしれないからである。

しかしそれはまあネット世論での小保方氏の名誉回復の一部にしか資さないかもしれない。理研の検証実験のあり方との整合性のある説明が必要であり、それには相澤論文への言及が必要であろう。

だが、ぼくは海外科学者が優秀な代理人を使って開示させたと想定するので、あまり国内のどうこうはどうであってもよいと思う。

ティーブレーク氏は、東京都のミニ政党みたいなロジックである。情報公開法で法人文書は全て公開されるべきだから理研は不正だというのは、たとえば地方議会の政務調査費は全て公開されるべきだということ(国家意義委でも同じだが、抜け道はたくさんある)から、議員は金について聖人君子であるべきだと主張しているようなものである。まああまり頭のよくないTBSがニュースで使うロジックと同じである。

大人の事情は、地道な調査で、なぜどのようにあるべき通りにならないのかを調べるのがジャーナリズムというものだ。
結果だけ見て不正というのはSTAP細胞事件の飛躍とあまり差がない。

ティーブレーク氏は本当に大人の法律というものをぜひ学んでほしい。いちいちヒステリックでたまらん。

再度主張するけれど、予備事件の非公開が公開に変わったのはおそらく海外の権威ある研究者が巧妙に請求したからだとぼくは推定する。だから小保方氏の海外の評価はその分すでに高まっているだろうと言うだけで、市井の市民は喜ぶべきだとぼくは想像するのである。

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最近読書量が半端なく増えて、こんな時間にふと投稿するが、これは睡眠が乱調のためではない。BPO勧告までに生物学の本はできるだけ読みたいと思うのだが、面白くもなんともない。あとはせいぜいエピジェネミクスの分厚い本を読む程度だろう。ぼくは生物学になんの関心もない。人間が生物であることについては大いに関心があるんだが、明らかに詰めが弱すぎて、ほとんど得るものがない。このことについては心の哲学や社会の哲学についてそのうちチャレンジを再開できるときが来ると思うからけちょんけちょんに書きたいと思う。
posted by Kose at 22:38| STAP

2016年12月28日

B細胞受容体(BCR)というものもある

T細胞ばかりはやったのはTCR再構成の図の切り貼りが騒がれた所為であると推測する。
小保方晴子氏の手記では、まずバラバラにするストレスをかけないですむためにリンパ球が選ばれ、ネイチャーのレビューでTCR再構成のテストを求められて、西川伸一氏の助言で、TCR再構成のテストを行ったというのが時系列であることは確認した。
佐藤貴彦氏は小保方手記を半分しか受け入れておらず、リンパ球の選択の理由にT細胞の再構成によるリンパ球幹細胞というか血液幹細胞ではないという反証のメリットをあらかじめ認識してリンパ球を選んだと主張し続けている。
さて読書を続けているが、マウスの脾臓ではB細胞50%、T細胞26%という免疫学の認識を紹介した。
B細胞なら問題なかろうとしたが、B細胞も受容体再構成を行いDNAを削除することがわかった。
読書の成果を記すと:
それぞれのB細胞は1種類の抗体を作り出していて1種類の抗原に対応しています。ヒトはB細胞のレパートリー(種類)を何百個ももっていて、異物が体内に入ってくると、この抗原に対応しているB細胞を選び出して増殖させ、抗体を大量に生産させます。このとき、B細胞ゲノムの中の抗体遺伝子には、不要なところを削除するという細工(ゲノム再構成)がされて、抗体が効率よく作られるようになっています。そのためB細胞ではゲノムサイズがその分小さくなっています。・・・免疫系のT細胞でも同様の再構成が行われていて、T細胞受容体の多様性が確保されています。抗体を作っているB細胞からiPS細胞を作ると、それ生まれた個体は1種類の抗体しか作れなくなってしまいます。

T細胞の場合とどう違うのかは免疫学のより新しい本でも読むほかない。
さてT細胞から増殖はしない説をryobu-0123氏が主張しているが、これを検討する。
B細胞については抗原に対応するB細胞を選び出して・・・B細胞ゲノムの中の抗体遺伝子には不要なところを削除するという細工(ゲノム再構成)がされ・・・
ということで、抗原が入ってこない状態では再構成はない可能性を示唆している。そしてまた
抗体を作っているB細胞からiPS細胞を作ると・・・個体は1種類の抗体しか作れなくる。
という研究も参照されている。少なくとも運良く抗体を作っていないB細胞ではBCRはないかもしれず、また抗体を作っていたも、抗体がひとつしかない個体は生まれることができるのである。
このうちどれほどTCRに当てはまるかわからないが、T細胞からiPSを作ってみるという「実験」をやらない免疫学者は観念論であるとしか言いようがない。実際、リンパ球全体を酸処理していると思われるので、「抗体を作っているB細胞から作ったiPS細胞は免疫不全で増殖しないと言うという一般論はない」。

これらによって小保方氏も若山氏もリンパ球を使う上でのメリットとデメリットにそれほど頓着はなかったし、成功した可能性を全否定することはできないと思われる。
ryobu-0123氏には、より新しく詳しい本で、論証した抱ければ幸いである。

この本の典拠は

森和俊『細胞の中の分子生物学』(ブルーバックス)、2016年5月、p67である。
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なおぼくは、キメラマウスは胎盤の寄与があって「偶然」成功しているという方に賭けており、それを模したのがTS細胞培地実験で、これも成功の可能性が否定できない。したがってFI細胞も真正である可能性がある。STAP「幹」細胞だけが、結果的にES細胞様の増殖能を得られらレなかったため、キメラマウスの「飾り」という位置づけで、低い増殖能のSTAP幹細胞と偽り、増殖率のグラフのねつ造を迫られたり、また場合によっては結果には無害であるがES細胞で見せかけを作ったりした可能性があるという立場である。つまりFLSというスタップ幹細胞にはES細胞様の増力能がないといのは、若山氏が直接関与し、小保方氏が図表のねつ造をせざるを得なかった「唯一の」不正であると限定したい。これならなんとか和モガ氏の分析と相反しないと思われる。

若山氏を全否定する小保方ファンはぼくのように本を死ぬほど読んでもまだBPO勧告には1ヶ月あるので、若山氏だから不正だという単細胞はあまり読みたくない。科学はヒトではなくモノである。これは武田先生がおっしゃっていることである。もちろん人として教育者として若山氏をけちょんけちょんにけなすことには同意する。21世紀の最低男でゲス不倫どころではない。それに国が給料をやっていることに憤りを感じる。
posted by Kose at 22:13| STAP

2016年12月27日

T.アレン&G.コーリング『細胞』東京化学同人を読んだ

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この本は、オックスフォード大出版の新書、Very Short Introductionシリーズのひとつで、岩波書店刊の『幹細胞』と同じシリーズである。原著の出版年も2012年で同じである。たぶん山中伸弥のノーベル賞の影響じゃないだろうか。『幹細胞』が再生医療に大半が割かれているため、こちらの『細胞』の方が「幹細胞」についてより詳しい部分がある。

『幹細胞』には生体性幹細胞の記述がまるでないし、怪しい幹細胞治療についての具体的記述もないが、『細胞』にはありたいへん興味深い。

生体幹細胞は分化転換という柔軟性を示す。言い換えると、あるタイプの幹細胞が異なる条件下では別のタイプの幹細胞へと変化できる、ということである。たとえばマウスやヒトでは、胚期幹細胞、骨髄幹細胞、生体肝臓の前駆細胞が、どれも肝臓の成熟細胞を生み出すことができる。これらの変化は実験的に幹細胞に成長因子タンパクを導入したり、細胞を肝臓に移植することで確認できる。誘導された成熟細胞は肝臓内に定着して、肝機能を改善することもある。
胚には三種類の細胞層がある。外胚葉(神経系、歯のエナメル層、毛、皮膚のケラチン層など)、内胚葉(腸管、呼吸器系、膀胱など)、中胚葉(骨、筋肉、結合組織、皮膚や肝臓の内層、骨髄など)である。驚くべきことに、これらの三種類の細胞は、異なる細胞系譜の成熟細胞にも分化しうることがわかった。
幹細胞の分化転換がどの様に起こるかは、まだ明らかでない。幹細胞の運命はある程度分裂の遺伝子状態により決まるが、細胞が受け取る外部のシグナルにも依存する。もし外部のシグナルが遺伝子と異なっていると細胞は運命を変更して異なる細胞腫に分化することもある。生体幹細胞は比較的小型で構造上物特徴もないので、形態的に同定することが困難である。幹細胞のこの柔軟性は、組織中に二つまたはそれ以上の幹細胞集団があることで説明できるかもしれない。たとえば、生体幹細胞はある決まった成熟細胞だけを生じるのに対して、組織中に存在する少数の生殖幹細胞はすべての細胞を生み出せるのかもしれない。骨髄、毛包、腸管における幹細胞の自己増殖と分化細胞のバランスを説明する別のモデルでは、幹細胞が二つの異なる状態で存在するとしている。一方は休眠状態で完全な分化能を維持しており、他方は活発でで膨大な数の分化細胞を産出する。不活発な幹細胞と活発な幹細胞のバランスは、様々のシグナルタンパク質の量によって制御される。これらのタンパク質はもともとショウジョウバエで同定され、今では全ての動物細胞で必須であることが知られている。


つまり仮説としては、バカンティ氏のアイディアのようなものにコンセンサスはあるのである。まあそれを細いガラス管で取り出そうというのは、ぶっ飛んでいるのかもしれないが。ミューズ細胞もおそらくこのような生体内幹細胞の一種であろう。反対にSTAP細胞の実験ではこのような生体内幹細胞ではないことを証明する必要があって、TCR再構成実験が条件になったわけである。

小保方氏は仮説として、細胞質のなんらかの変化を考えているようなんだが、完全に特定していないのが残念である。その仮説については佐藤貴彦氏が高い評価を与えている。ぼくはミトコンドリア派なんだけどね。引用するなら別のところを引用するだろう。なぜならSTAP細胞は失敗した細胞死のようなもので、増殖能がないのは、最低の細胞質がないからだと想像することができる。あのようなばかげた事件がなければ、細胞の基礎科学として面白いと思うのだが。残念である。

ついでに岩波書店の『幹細胞』のリンクも張っておく。
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posted by Kose at 18:43| Comment(0) | STAP

【BPO】放送人権委員会定例会議事録 NスペSTAP細胞事件部分修正決定案を最終確認へ!1月定例会後勧告確定か?

放送人権委員会 議事概要 第242回
第242回 – 2016年12月
http://www.bpo.gr.jp/?p=8899&meta_key=2016
STAP細胞報道事案および事件報道に対する地方公務員からの申立て事案の「委員会決定」案をそれぞれ議論、また都知事関連報道事案、浜名湖切断遺体事件報道を審理した。世田谷一家殺害事件特番事案について、テレビ朝日から提出された対応報告を了承した。

議事の詳細
日時
2016年12月20日(火)午後4時〜9時35分
場所
「放送倫理・番組向上機構 [BPO] 」第1会議室(千代田放送会館7階)
議題
1.STAP細胞報道事案の審理
2.事件報道に対する地方公務員からの申立て(テレビ熊本)事案の審理
3.事件報道に対する地方公務員からの申立て(熊本県民テレビ)事案の審理
4.都知事関連報道事案の審理
5.浜名湖切断遺体事件報道に対する申立て
6.世田谷一家殺害事件特番事案の対応報告
7.その他
出席者
坂井委員長、奥委員長代行、市川委員長代行、紙谷委員、城戸委員、
白波瀬委員、曽我部委員、中島委員、二関委員

1.「STAP細胞報道に対する申立て」事案の審理

対象となったのは、NHKが2014年7月27日に『NHKスペシャル』で放送した特集「調査報告STAP細胞 不正の深層」。番組では英科学誌「ネイチャー」に掲載された小保方晴子氏らによるSTAP細胞に関する論文を検証した。
この放送に対し小保方氏は人権侵害等を訴える申立書を委員会に提出、その中で「何らの客観的証拠もないままに、申立人が理研(理化学研究所)内の若山(照彦)研究室にあったES細胞を『盗み』、それを混入させた細胞を用いて実験を行っていたと断定的なイメージの下で作られたもので、極めて大きな人権侵害があった」などとして、NHKに公式謝罪や検証作業の公表、再発防止体制づくりを求めた。
これに対しNHKは答弁書で、「今回の番組は、世界的な関心を集めていた『STAP細胞はあるのか』という疑問に対し、2000ページ近くにおよぶ資料や100人を超える研究者、関係者の取材に基づき、客観的な事実を積み上げ、表現にも配慮しながら制作したものであって、申立人の人権を不当に侵害するようなものではない」などと主張した。
今回の委員会では、11月30日に行われた第4回起草委員会での議論を経て提出された「委員会決定」案を事務局が読み上げ、それに対して各委員が意見を出した。委員会で指摘された修正部分を反映した決定案を次回委員会に提出、最終的に確認する運びとなった。
posted by Kose at 11:29| STAP

2016年12月26日

4つの不正の意義

佐藤貴彦氏の著書は読んでおくべきだった。
しかし、今年1月まで1年くらい、ジョン・R・サールの未邦訳書の海賊訳をやっていて、睡眠も腰痛もどうしようもなくなり、休もうと思ったときに小保方晴子氏の『あの日』が刊行され(1月28日)、まあ本業離れてネットで遊んでいただけなので、本を読もうという気がなかったのである。渋谷一郎氏の本は読んだけれど。そしたらアホウが、小保方氏がSTAP HOPE PAGEに掲載した緑色蛍光の画像の「輪郭」を抽出して、不自然な加工の痕跡がないことをこのブログに掲載したら、毎日DoS攻撃するようになって、猛烈に頭にきて、戦争に参加することになったのである。
これ
TR-green2.png

今度はGIMPでやるが、というのも古いバージョンのPhotoshopがWin10で使えなくなったからなんだけど。

フィルター>輪郭抽出>色>脱色>色>明暗反転、で得られる。
Gimpはフリーだから自分でどうぞ。
https://www.gimp.org/

TR-green3.png
*若干直線的な部分が出るのは、PhotoshopだろうとGimpだろうと同じである。圧縮の影響が出ていると考えた。

俺は、輪郭が不自然ではなく、稚拙な加工は認められないといっただけである。上の緑の漠然とした図にこういうシワのようなものがあるというのが驚きである。推測では当然ながら「球状」であることが、外縁の輪郭の多さから言えるのではないかということである。こんなことは3分でできるので、これで恨まれていた日には、カップラーメン食うごとに人に恨まれなくてはならないことになる。

この画像と同時掲載されたグラフが、検証実験の前半で、相澤真一博士とともに小保方氏がやった予備実験の結果の一枚であることが、相澤論文のオースティン・スミス博士らのレビューへの回答で明らかになっている。相澤氏が、練習でどんないい記録を出しても、本番で出せなかったら意味がないとか、例えたその練習である。

ぼくの推測では、STAP HOPE PAGEは、漫然と小保方氏が自主的に作ったものではなく、5月にOCT4マーカー発現実験を成功させた、セントルイス・ワシントン大学(米大統領選の2回目が行われた大学)から依頼があってそれに応えたのじゃないかと推測している。というのもHP立ち上げ直前に、ハイデルベルク大学がOCT4マーカー発現失敗の論文を掲載したのだが、ワシントン大とハイデルベルク大の記事の受付日が同じだったからである。そしてHPのプロトコルを参考にしてワシントン大が成功したと考えられるのである。それを受けて、相澤論文の再掲載とレビューが続く。これらはそういってよければ「仕組まれた」作戦だったと思う。そのひとつの理由に、HPは初期の訂正以外全く更新されていないからだ。もう目的は果たされたと見なすことができる。

HPは科学コミュニティ上には存在しない。有志の科学者にとってのみ何か意味があるのである。
それも妨害工作にあったが、日本の妨害工作が「本物」であることを海外の有志の研究者たちは学んだに違いない。

そういうわけで、夏頃生物学の論文の翻訳をやったが、あれは本当に知識ゼロでやったので、上手くいかなかった。まだ睡眠も腰痛もひどかったし。頭にくるし。2ヶ月余休んで、腰痛も睡眠も98%位よくなった。たくさん生物学の本を読んだ。わからないことの方が多いが。

予測シリーズは、佐藤貴彦氏のT細胞の扱いに注文をつけるため、いろいろ考えたら、出てきたファンタジーのひとつである。

そこで不正認定された、増殖率のグラフのオリジナル・データの不在は、なんとSTAP幹細胞の非存在の証拠として評価できるという結論になってしまった。少なくともES細胞様のSTAP幹細胞は「ない」。

ぼくの勉強の成果だが、幹細胞の定義で、幹細胞は、A)自ら分化し(増殖し)、B)他の細胞に分化する(多能性)、の二つの条件をクリアしなくてはいけない(『幹細胞』岩波書店、2016)。多能性ばかりにみなさん目を奪われているが、Aの増殖のレベルが低ければ、幹細胞と認められないのである。だから、増殖率のグラフが不正だということは、STAP幹細胞がAの条件をクリアできていないという意味で、実在しないと言うことである。

ずいぶんお利口になったものだ。

TCR再構成については、佐藤貴彦氏の新著で批判した。リンパ球は骨髄で作られ、さらにT細胞は一度胸腺に送られてから、リンパ節や脾臓に蓄積されるため、枝葉末節な実験である。大前提と勘違いしている。おそらく脾臓由来のSTAP細胞は確率からいってB細胞であると考えるのが現実的だろう。T細胞はオマケである。そのオマケで骨髄由来の幹細胞ではないと証明できる程度である。これはサイエンス誌の指摘があったことがわかっているので、遡及的に研究不正ではないのは当然である。

テラトーマはまあ小保方氏が不思議ちゃんだと言うことでいいのかもしれないが、これは小保方氏がノートパソコン内でデータも論文もプレゼンも全部、いろいろ引っ越しをしながら、変更するというような独自のスタイルから起こるべくして起こったものという側面があるだろうことを指摘しておきたい。どれもこれもオフィスが画像データ管理似よい機能を提供しているとは思えないからである。MSが画像についてアドビの優性を終始覆す力がなかったせいかもしれない。

メチル化は最低3つオリジナルデータがあるので、STAP細胞が最低三回初期化された意味だと肯定的にとらえておこうと思うだけである。だいたいメチル化って知っている?細胞が分化してより特殊な細胞になるとDNAの部分がメチル化という修飾で、いわば黒塗りされて、読み取れない状態になることを言うのだと言うことをこの2ヶ月余で学んだ。

理論的には、細胞膜の損傷が、「何か」を引き起こし、「脱メチル化」が生じて、初期化されるのだ。
都庁の文書がのり弁状態だったのが、追求を重ねるうちに、全文読めるようになるのと似ている。

そうすると、テラトーマは証拠価値が肯定的にも否定的にも価値がない意味不明な(見栄えがよいだけか)不正かもしれないが、全体として小保方氏の不正は他愛がなく、「STAP幹細胞の増殖能は本当はどの程度のものだったか」というのが、STAP細胞事件の科学的意義における不正の存否を決めると私は思う。
posted by Kose at 22:09| STAP

予想!その3 細胞増殖率測定のグラフのねつ造=STAP「幹」細胞の生データなし

まあぼくはなんだかわからないのだが、「増殖」について「生データ」がなく、Yamanaka&Takahashiのグラフのぱくりだということである。小保方氏の作成だが、佐藤貴彦氏は、若山氏がYmamanaka&Takahashiのようなグラフを求めたと認定している。

『残された謎』で次の通り
(三)細胞増殖率測定のグラフねつ造
 これはねつ造として、もっともわかりやすいものである。実験の目的はSTAP細胞とES細胞の増殖率を比較するというもの。・・・ここで指摘された問題点は、(一)植え継ぎ時に細胞数を正確に測定していない。(二)希釈率も曖昧でオリジナルデータが存在していない。(三)小保方氏の勤務記録と照合すると約三日ごとの測定が不可能である。


『あの日』では、小保方氏はSTAP細胞は増殖しない(乏しい)と断言しており、そういうものとしてハーバードに帰る決断すらしたと書いている。おそらく次の部分が認定されたねつ造(三)の部分であろう。
若山先生の行った幹細胞樹立実験の再現をとるため、私はスフェアから若山先生がES細胞様に増殖させることに成功した特殊な培養液を用いて培養を試みていたが、確かに若干は増えてくるものの、増えてきた細胞の形状も増殖能もES細胞とはほど遠いものだった。

続けて
若山研では、胚操作によって作成されたマウスを使った重要なデータを補佐するためのデータは「飾りのデータ」と呼ばれ、まず結論へのストーリーに合う仮のデータを「仮置き」の形で図表として用いて論文執筆を行う方法がとられていた、今回の論文執筆の場合も、若山先生が作成したキメラマウスという重要なデータに合わせた補佐のデータを作っていく若山研での方法に従って行われていた。


したがって、ES細胞様の増殖能をもつSTAP「幹」細胞というもののin vitroの裏付けは「ない」というのがねつ造(三)の意味だと解することができる。あくまでin vivoのキメラマウスの事実があるだけであるという主張を裏付ける。

『事件の真相』では科学的問題ではなく、事件としての問題を扱うため、科学的事実として『謎』より突っ込んでいるわけはない。そうではなく東大等の不正で見られる指導研究者の暗黙の圧力が不正の温床となっているという文脈で、このグラフのねつ造をとらえ直している。
「生データをチェックしなかった」あるいは「実験結果の内容を知ろうとしなかった」ことは実験を指導した本人に捏造教唆の自覚があったことの間接的証明になる。


そうではない。『あの日』の上記の引用から、データはなかったし、それはSTAP細胞の増殖能のグラフなど作りようがなかった、と指摘すべきであろう。

まとめると
1)キメラマウスの飾りのデータとしてES細胞様の増殖能のグラフを求められ、捏造した
2)キメラマウスはin vivoで確立していたと仮定できるが、
3)ES細胞様の増殖能をもつSTAP幹細胞のデータを小保方氏は現に得ていない
4)よってSTAP「幹」細胞は架空の存在でありえる

前回予想した、STAP幹細胞の非存在は佐藤貴彦氏と小保方晴子氏の証言でさらに明らかになった。
STAP細胞とSTAP幹細胞の区別は『あの日』まで曖昧で、出版後若山研が樹立したSTAP幹細胞があたかも「ある」という認識が広まった。だがである。小保方氏にその証言はなく、しかも幹細胞の定義のひとつである増殖能が「架空」である以上、in vitroのES細胞様のSTAP幹細胞は、in vivoのキメラマウスの飾りのデータ(架空の存在)に過ぎないと結論してよいように思われる。

幹細胞の定義は、A)それ自身増殖し、かつB)他の細胞に分化することだが、Bはキメラマウスで証明できるが、Aは証明されない。

よってSTAP幹細胞だとされるFLSという試料がなんであるかは全く不明あるいは何でもいいということだ。次のようなSTAP幹細胞を前提にした遺伝子解析は虚しい。
若山氏が提供した GFP により光るマウスから、小保方氏が STAP 細胞を作製し、それを若山氏が受け取って STAP 幹細胞株を樹立したとされる。

そんなものはない!!!

http://www.riken.jp/~/media/riken/pr/topics/2014/20140616_2/20140616_2_2.pdf
2014年7月22日
「CDB に保全されている STAP 関連細胞株に関する検証について」(6月16日)の訂正
発生・再生科学総合研究センター
センター長 竹市雅俊

去る6月16日に「CDB に保全されている STAP 関連細胞株に関する検証について」で 解析結果を報告した。そのなかで、若山研から提供された情報に基づき解析を行った結 果、3種類の STAP 幹細胞株のうち、CAG-GFP 遺伝子の挿入を持つ2種類の細胞株(FLS 細胞株と AC129 細胞株)は、互い異なる染色体に挿入を持つ事、FLS 細胞株では15番 染色体、AC129 細胞株では18番染色体であるとした。しかし、その後の調査により、 以下のことが判明した。
1)FLS 細胞株において、GFP 遺伝子の挿入は15番染色体としたが、これは、「若山研 には、全身が光るマウスは CAG-GFP 遺伝子のみが挿入された系統しか存在しない」とい う前提で解析を行ったことによる解釈の誤りであった。
2)FLS 細胞株で、染色体に挿入されているのは CAG-GFP 遺伝子だけではなく、Acr-GFP 遺伝子も同じ染色体部位に並んで挿入されていることが判明した。
3)Acr-GFP 遺伝子とは、精子先体反応の構成成分であるアクロシン(Acrosin)遺伝子 の発現を調節する領域(Acr-promoter) に GFP 遺伝子が接続されたもので、精子で GFP を発現する。CAG-GFP 遺伝子のみを持つマウスでは、精子で GFP 遺伝子を発現しないが、 Acr-GFP 遺伝子と CAG-GFP 遺伝子を共に挿入したマウスでは、精子を含む全身で GFP 遺 伝子を発現する。
4)CAG-GFP 遺伝子と Acr-GFP 遺伝子が共挿入されたマウスは大阪大学岡部研究室で樹 立され、その系統は CDB の若山研究室に分譲され維持されていた。 上記より、6月16日に報告した「解析結果に対する見解」を、次のように訂正する。

1.若山氏が提供した GFP により光るマウスから、小保方氏が STAP 細胞を作製し、そ れを若山氏が受け取って STAP 幹細胞株を樹立したとされる。保管されていた STAP 幹細 胞株の解析から、前回の報告で、その由来が不明とされていた FLS STAP 幹細胞株につ いて、CAG-GFP 遺伝子及び Acr-GFP 遺伝子が並列に染色体に挿入されていることが判明 した。

2.CAG-GFP 遺伝子と Acr-GFP 遺伝子が共挿入されたマウスは大阪大学岡部研究室で樹 立され、その系統は CDB の若山研究室に分譲され維持されていたが、FLS 細胞株(STAP 幹細胞)と当該 Acr-GFP/CAG-GFP マウス(岡部研由来マウス)が、同じ染色体部位に GFP 遺伝子の挿入を持つかどうかは現在調査中であり、明確な結果が得られ次第報告す る。
以上、報告の誤りを訂正する。 追記:前回の発表での誤表記:
誤:FLS-3およびFLS-4: B6129F1: CAG-GFP, ♂
正:FLS-3およびFLS-4: 129B6F1: CAG-GFP, ♂
posted by Kose at 10:59| STAP

2016年12月25日

予想!その2 FI細胞の理由

まったく若山氏がウソを最初からつくのは考えにくい。「キメラマウスはできませんでした」でいいからだ。
なのでSTAP細胞塊を移植して、キメラマウスができたのは事実だとする。
問題は、キメラマウスは作れるが、ES細胞様の幹細胞の培養とそれは「別の話」だと言うことだ。

ばかが、キメラマウスは十分条件だと主張するが、それもまた論理的には必要条件でしかない。十分条件はES細胞様の「幹細胞」があると言うことである。だが実在として「幹細胞がある」ためには、STAP細胞が増殖能をもつことが必要条件である。だがin vitroでは、幹細胞が「十分な程度にできなかった可能性がある」のは、小保方氏が成功していないからである。

したがって、多能性細胞STAP細胞はあり、in vivoでは幹細胞の能力を発揮し、キメラマウス作成に成功しうるが、in vitroでES細胞培地ではそんな幹細胞を樹立できない可能性があるということである。

ぼくは論文読めないが、仮にSTAP幹細胞に言及があるなら、小保方さんは若山氏の要求に従ってそれを知らずに書いたことになる。あるいは他の共著者によるものかもしれない。

なぜTS細胞の実験が行われたかを推測するとTS細胞は下の「胎盤形成の基となる栄養膜幹細胞」だが、キメラマウス成功においてin vivoの胎盤がSTAP細胞の増殖に寄与したと「仮定するなら」、in vitroで類似の環境となる可能性のあるTS細胞培地がES細胞培地とは異なり、胎盤内と同じようなSTAP細胞の増殖を可能にすることができいるのではないかと推測するのは合理的である。
体細胞核移植によって作り出されるクローン動物では、胎盤の形成異常が頻繁に観察される。マウスクローン胚から、胎盤形成の基となる栄養膜幹細胞を取り出し細胞株を樹立すると、意外にも、樹立の効率や細胞の性質は、通常の交配で得られた胚のそれと大きな違いが無いことが判明した。クローン胚発生と胎盤の幹細胞に関する新たな知見を加える成果である。
http://www.a.u-tokyo.ac.jp/topics/tanaka090826.html


小保方氏の若山氏の要求による図表の不正については、ES細胞培地でのSTAP幹細胞樹立に関するものだとしたら、STAP幹細胞の程度が「悪く」、ES細胞様とは言いがたいため、データをきれいにしたという意味で、理論的に要求されるような水準のSTAP幹細胞はなかったと推測できるのである。

増殖能の問題と小保方氏の証言を踏まえればこういうことになる。
するとFLSという細胞チューブの中身は、ES細胞か、レベルの悪いSTAP細胞であっても構わないという和モガ氏とは別の結論になってしまう。

小保方氏の別の証言では、他人に任せないですべて自分でやろうとすべきでない、という若山氏の指示あった。小保方氏に幹細胞実験を明かさなかった手記での事情は、そういうことなら腑に落ちる。

in vitroのES細胞様のSTAP幹細胞の実在は「疑わしい」。

あくまで小保方氏が報告しているSTAP細胞の増殖能の問題を基軸に考えるなら、キメラマウスとFI細胞は実在する可能性が残る。だから若山氏は成功していると言える。だが、ES細胞様のSTAP幹細胞については「ねつ造」と考えるべきだと思う。できが悪いのをよく見せる操作をしたのだろうと言うことだ。in vivoではできているにもかかわらずにである。

これで若山照彦氏が疑わしく、嫌いな人も納得してくれるだろうか?

まあ若山氏の不正も、勤務時間中の麻雀の程度だと思うが。
STAP細胞もキメラマウス樹立も、技術的難度が高いので、つまり成功した本人たち以外できないため再現性はないに等しい。理論がない。

STAP細胞があると主張したい人たちは、「細胞の中で刺激惹起の際に何がどの様に起こっているのか」と「なぜSTAP細胞は増殖能が乏しいか」という理論的な問題に拡張しないと、今後も散発的な成功しか望めないだろうと言うことだ。

posted by Kose at 15:15| STAP