2016年09月15日

イレーヌ・デ・ラザロ:相澤真一「STAP現象の再現試験の結果」レビュー2016/8/22

いわゆる理研検証実験(2014年後半)の相澤真一博士の検証結果をまとめた論文の第二のオープン・レビューである。第一のものが6月13日のオースティン・スミス教授(ケンブリッジ)のもので、翻訳の問題で議論を読んだ。今回のレビューは誤訳とか単語が間違っているとか素人にはどうしようもない問題はあるが、解釈を要求する部分はあまりないだろう。しかし結論部分の「手稿」(manuscript)が何かは議論の余地があると思う。全くの素人でも少しは読めるように()内に訳注で説明を加えた。親切だ。
多くは明確さや混乱が残っていることである。まあそれは科学者に任せる。
素人としては赤太字で海外で初めて「厳格な監督下で小保方が作った同じSTAP細胞」が明言されたことが注意を惹く。それこそスミス教授の「しかし私は彼女が共著者であるいかなる要件もあるとは思わない。なぜなら彼女は相澤博士の明示的な指示・監督の下でその仕事を行ったからである」に対応することであり、日本人は相澤博士が「こんなのは科学ではない」と言い、小保方氏が「エプロンが鉛のように感じられた」ような、相澤博士とも丹羽博士とも孤絶した「理研の監視下」でSTAP細胞作製を行ったことを知っていて、スミス教授も、デ・ラザロ教授もどうも知って、その件に言及している感じがすることである。これは解釈だが。今回のレビュアーが「ラザロ」教授であるのは解釈としては面白いことがある。ラザロは新約聖書で
イエスが墓の前に立ち、「ラザロ、出てきなさい」というと、死んだはずのラザロが布にまかれて出てきた。このラザロの蘇生を見た人々はイエスを信じた
という蘇りの話で有名だからである。デ・ラザロ教授と寂聴対談にも奇妙な対応が存在する。

あなたは小保方晴子の蘇りを信じますか?
*冗談だからな!!!

ブログでは段落を再現できないので段落をちゃんと見たい方はPDF版をご覧ください。
PDF版
Results of an attempt to reproduce the STAP phenomenon review 2.pdf
*気づいた誤字と段落の具合訂正しました。

Irene de Lazaroプロフィール
http://www.nanomedicinelab.com/people-and-purpose-2/people/postdoctoral-associates/ms-irene-de-lazaro-del-rey/
Dr. Irene de Lazaro, Research Fellow in Regenerative Therapeutics
Irene obtained her Master’s degree in Pharmacy (with Distinction) at the University of Alcalá (Madrid, Spain) in 2009. After graduation, she gained a fellowship from Obra Social LaCaixa to complete a MSc in Drug Delivery. She joined the Nanomedicine Lab, then based at the UCL School of Pharmacy, to investigate the internalisation of antibody-conjugated carbon nanotubes in three-dimensional tumour models. She continued her studies in UCL as a PhD student in Regenerative Medicine. In her thesis, she explored concept of in vivo cellular reprogramming at the fundamental for tissue repair and regeneration. She followed the Nanomedicine Lab to the University of Manchester as a Research Associate in Regenerative Therapeutics focusing on the use of in vivo reprogramming to enhance rehabilitation of injured tissue.


Results of an attempt to reproduce the STAP phenomenon [version 1; referees: 2 approved]
Shinichi Aizawa
F1000Research Open for Science
http://f1000research.com/articles/5-1056/v1

STAP現象の再現試験の結果[バージョン1;査読:2承認]
相澤真一


査読レポート 2016年8月22日
イレーヌ・デ・ラザロ(Irene de Lazaro)、 Division of Pharmacy and Optometry, School of Health Sciences, Faculty of Biology, Medicine and Health, The University of Manchester, Manchester, UK

承認
小保方らが著者である二つの2014年のネイチャー論文は機械的破壊ないし酸処理のような刺激誘発条件に曝すことに基づき、体細胞から多能性細胞の生成のための新規なプロトコルを書いた。そのようなプロセスは刺激惹起性多能性獲得(STAP)と名づけられたが、その研究はいくつかの確認されたエラーと研究不正の兆候を根拠に撤回された。相澤博士による今回の研究は―理研の科学的検証チームの監督のもと小保方氏によって作成された―推定上の多能性細胞STAPがマウス胚の発育に貢献し、それゆえ「真の」多能性細胞とみなしえるかどうかを明確にすることを目的とする体系的研究を記述する。

STAP細胞が機能的な幹細胞だという主張は再現できないという―この研究がいたった結論は―STAP細胞の貢献はいかなる再生された胚でも観察されなかったため、提供されたデータによって明確に支持される。様々な組織への貢献を調査するためSTAP細胞をインジェクトされた胚の数は十分多かった。加えて、研究計画は非常に体系的で、キメラ現象でのいくつかの潜在的な変異性について説明する(例えば、刺激ストレス、マイクロインジェクション以前の細胞隗をカットするために使用されるテクニック、インジェクションと再生時間の胚の段階)。それにもかかわらず、次の通り、私の見解では相澤博士の研究を発展させうるいくつかの示唆と明確化を見出していただきたい。

実験計画:
小保方ら撤回された研究で、CD45+(訳注;表面抗原を認識する抗体群を、番号と記号で国際的に分類したもので、CD45+は細胞傷害性T細胞のひとつ)脾臓細胞がSTAP細胞生成のソースとしてFACS(訳注;fluorescence activated cell sorting/蛍光標識細胞分取)によって選ばれた。今回の研究で、CD45のソーティングは省略され、伝えられるところではリンパ球の特殊な孤立を認める商用製品リンパ球が代わりに用いられた。最初の細胞隗の性質に違いを生みかねない研究のオリジナルなプロトコルのこの変更がある場合、著者がこの変更の背景となるなんらかの理由を説明できるなら、有益となるだろう。

キメラ現象実験のために使用されたCAG−GFP遺伝子導入マウスのラインが小保方らによって使用されたそれと異なると言われている。異なるラインを選んだ理由はあったのか?

小保方らのオリジナル研究で、STAP細胞隗は、E4.5胚にインジェクトされた。しかし今回の研究では、インジェクションは、E2ないしE3.5の段階の胚に行われた。このパラメーターは、より高度のキメラ現象を試みるため変更されたのか?実験開始におけるこの変更の説明もまた明確化に望ましいだろう。

データの提示、処理、議論

低pH処理後のOct-GFP遺伝子導入脾臓由来の細胞塊の頻度(表1):低pH条件(HCIまたはATP)ないしマウスの遺伝的背景のいずれかの下で緑色蛍光のシグナルの周波数でいかなる明らかな違いも見られなかったとテキストで述べられているが、この陳述は十分なテストによって支持されないなら、強すぎるだろう。著者はこのデータに関して統計分析を行ったのか?

細胞隗の緑色・赤色蛍光: 著者は検出されたシグナルが自家蛍光の結果だと含意しているように思える。それは事実研究の再現を試みた他の研究者が指摘してきた(Tang et al. 2014; De los Angeles et al. 2015; 最後のコメントを見よ)。しかしこれはテキストで明確に述べられていない。野生種のタイプのマウスのラインに由来する細胞隗の研究に含まれるものはまたこの曖昧さを回避しただろう。

キメラ研究のためSTAP細胞を生成するマウスの遺伝的背景: キメラ研究に使われたCAG-GFPマウスはC57BL/6ホモ背景で育成されたとテキストでは最初述べられている。しかしC57BL/6とF1(C57BL6x129)が含まれていると後にテキストと表2で強調されている。それらはまた細胞隗分析評価のためOct-GFP遺伝子導入を維持するため選択された背景ででるため、これは著者に由来する明確化を必要とする混乱である。

丹羽、2016に含まれる結果: 著者は何回か丹羽によって報じられた結果(丹羽、2016)に言及する。丹羽はまた理研の科学的検証チームのためSTAP現象の再現性を調べた。だが、丹羽の研究が厳格な監督下小保方が作った同じSTAP細胞で行われたかどうか明確には詳述されていない。このような明確化は、qPCR(訳注;リアルタイム定量PCR/ポリメラーゼ連鎖反応 =PCRによる増幅をリアルタイムに測定することで、増幅率に基づいて鋳型となるDNAの定量を行なう)、免疫染色FACSが議論されるため、重要だが、それは示されず、読者は丹羽の研究を指示されるだけである。

理研外部の機関で実施され少なくとも二つの独立した研究がSTAP論争を明確化することを目指し(Tang et al. 2014, De los Angeles et al. 2015)、この論文で提示されたものと類似の結論に達した。とくに自家蛍光の問題はDe los Angels et alで広範に精査された。私はそのような研究で編纂された観察の短い議論が今回の手稿を補強するだろうと思う。

誤字: 「in the intestests of clarifying the scientific record”」(page 2 of 8).

References
1. Tang MK, Lo LM, Shi WT, Yao Y, Lee HS, Lee KK: Transient acid treatment cannot induce neonatal somatic cells to become pluripotent stem cells.F1000Res. 2014; 3: 102

2. De Los Angeles A, Ferrari F, Fujiwara Y, Mathieu R, Lee S, Lee S, Tu H, Ross S, Chou S, Nguyen M, Wu Z, Theunissen T, Powell B, Imsoonthornruksa S, Chen J, Borkent M, Krupalnik V, Lujan E, Wernig M, Hanna J, Hochedlinger K, Pei D, Jaenisch R, Deng H, Orkin S, Park P, Daley G: Failure to replicate the STAP cell phenomenon. Nature. 2015; 525 (7570): E6-E9

3. Niwa H: Investigation of the cellular reprogramming phenomenon referred to as stimulus-triggered acquisition of pluripotency (STAP).Sci Rep. 2016; 6: 28003

私はこの提案を読んだ。私は受け入れ可能な科学的規準を満たすと確認する適切な専門性のレベルをもつと考える。
posted by Kose at 18:48| STAP